オープンダイアローグとは

オープンダイアローグとは開かれた対話

先日、近年話題になっているオープンダイアローグの体験会に参加しました。

オープンダイアローグとは文字通り「開かれた対話」という意味でした。フィンランドで生まれた精神科医療の治療法の一つで、ヤーコ・セイックラ氏が生みの親とのことでした。

通常、精神病の急性期状態という状態に対して行われる、治療法とのことです。薬物療法に頼らず、対象者とその家族そして治療にかかわるグループで決まったルールで行われます。オープンダイアローグの手法での対話を通して回復を目指すという治療法だそうです。 日本には2013年頃、初めて紹介されました。

オープンダイアローグはフィンランドでは例えば医療現場で統合失調症の治療などに用いられて驚くほどの良い効果をもたらしていますが、日本でも注目され始めてからは、家庭問題や引きこもりなど社会に出づらい状況の方、 その他心の病を待つ方にも効果が明らかにされています。さらに開かれた対話から発展した形で「未来語りのダイアローグ」として、日頃の生活の中で生まれるちょっとしたモヤモヤの解決にもよい結果をもたらす方法であるようです。

オープンダイアローグと おススメの書籍

日本での第一人者は精神科医の斎藤環氏。私がおすすめしたい著書は『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』― 医学書院発行です。

この本はまんがを多用しながら、オープンダイアローグがどんなものか、どんなふうに行われるのか、その方法についてのわかりやすい説明、また、どんな効力があるのか、などがとてもわかりやすく書かれています。

オープンダイアローグに関しての本はそのほかにも

『オープンダイアローグとは何か』 斉藤環 緒+役ー医学書院より発行

『あなたのア心配ごとを話しましょう 響き合う対話の世界へ』-トム・エーリク・アーンキル、エサ・エークリン著―日本評論社より発行。

『 感じるオープンダイアローグ。』 森川 すいめい 緒― 講談社現代新書より発行。

など多数あります。 興味がある方は読んでみられてはいかがでしょうか。

オープンダイアローグの体験ワークショップ、基本の説明

先日のオープンダイアログの体験2時間半ほどのワークショップでした。

簡単にご紹介したいと思います。

オープンダイアローグの基本、説明

まず、 二人一組で。 聞く役割と話す役割を決めます。  一人が自分のモヤモヤを 話している間、 聞き役の人はほとんど頷いたり。 相槌を打つだけでいわゆる傾聴のスタイルです。  このときに気をつけるのは、 自分の感想を 挟んだり。 解釈をしたり。 しないということです。 また。 話し手の注意点は、日頃のモヤモヤを 話すことに徹するということです。 もちろんロールプレーですから。 その場でお話できる内容を 事前に決めておいて話せる範囲で、ちょっとしたモヤモヤをお話すると言う形です。 お話しする時には。 相手の反応やどう思われるかな? などはあまり考えずに 湧きあがってくる気持ちや言葉を自然に 話す、という 方法でした。

このワークでの私の感想は、まず3分間ほど話をします。話すときは話しながら自分が思っている以上に思考がぐるぐると頭の中で働いているなということを感じました。 そして2分間。 目を閉じて深呼吸。するとさっき自分が話したことが。どういったことなのか? 結論や気づきがありました。 そうしてもう1度、3分程 話を続けます。 瞑想している間に気づいたことなどを。 思い出すままに聞いてもらいました。 相槌を打ちながら。 意見されることもなく。 聴いてもらう体験はとても気持ち良いものでした。 次に役割を後退して同じことをし、逆の立場も経験します。

オープンダイアログ、グループでの体験

話す人。 聞く人。 観察する人に分かれます。 私たちは五人のグループで。 体験しました。 車座になって。 話す人は先ほどの要領で。 自分のもやもやを話します。 聞く人は? やはり先ほどの要領で。 意見やアドバイスなどをせずに。 その人の気持ちになって。 聞くに徹するということをします。 そして観察者は少し距離を。 取ったところから。 頷いたり。 目を合わせたり、反応したり。 することなく静かに 聞きながら見守ります。

数分間 話した後。 話し手は 車座に背を向けて。 座ります。 ここからはリフレクティングです。話し手、 聞き手と 観察者。 全員で。 相談者が聞こえる形で。 自分の感想を発言し合います。 主語は私が基本です。 話し手(相談者)のが聞こえるところで、みんなで話し手の噂話をしているような感じです。数分間のリフレクティングが終わり、 もう1度 話す、聞く、 の時間をとります。 このように数回。 この流れを繰り返します。 そしてワークは終了。 ワークショップですので。 どんな感想を持ったかをお互いに話し合いました。

今回の話し手をしてくださった方は、なんとなく受け入れてもらった感じや、背中を押された感があって嬉しかったです。とおっしゃっていました。私にとっても、とても興味深い体験でした。ファシリテーターのかたが。 アドバイスしてくださったのは 「結論を出さないでください」ということでした。 とにかく。対話を続けるだけでいい。。対話が解決のためのk手法ではなく、会話そのものが目的であって、治癒とか解決はその副産物であるという事でした。

話す人は自分のことを話す。
聞く人はその人になりきって、聴くに徹する。
思いや意見が浮かんできても、一旦横に置いて、聴くに集中する。
観察者は介入せずに見ている。
相談者の前で、その他の人みんなで話し合う。

オープンダイアログと カウンセリングの違いは 二者で行い、解決を目的にするのではないということと、のチームで行うということでした。。

今回の体験会は役約15名で行われました。 自己紹介を簡単にした後、オープンダイアログとしての対話のやり方の説明がありました。

オープンダイアローグの体験会

基本ルールは?  対話の目的は? 変えること、治すこと。 決定することではない。 ということでした。 あくまで対話を続け。 対話を広げ。 対話を深めることを目指しましょうというものでした。 次のルールは議論、 説得、説明は対話の妨げにしかならないことを理解しておいてください、というものです。 次に相談者の話していることや気持ち、すなわち、相談者が今いる世界をみんなで共有するイメージを大切にしよう。 ということでした。

何が正しいかや客観的事実などは一旦忘れる。それは違うんじゃないのかな? わけがわからないな、など、思い浮かんだとしても、そのことは一旦横へ置いておいておく。 そして最後に対話が安心安全の場になることを大切にしましょう、ということでした。
そこからのスタートでした。
オープンダイアログの方法と体験。
聞くことと話す事を分けるということは徹する。 聞く人は、聞くに徹する。 話す人は話すに徹するということです。 聞くことと話す事を丁寧に分けることを常に意識することが大切でした。 傾聴するときは、自分はそのことについて何も知らないという姿勢を大切にするということがコツだと感じました。。

オープンダイアログのリフレクティング。 リフレクティングトークというものがあります。それは。 家族療法家のトムアンデルセンとその同僚が開発した手法ということですが、オープンダイアログの根幹 とも言えるようです。 どういうことかというと、患者や家族の訴えを聞き、 当事者の目の前で 観察した者同士が。 意見交換をするということです。 その間、患者や家族は、背を向けてその話をただ聞いているということです。 リフレクティングが終わると患者や家族は車座の方を向き みんなの話していたことをを聞いて、どんな風に感じたかを話します。 そして。 観察者はまたその話を聞くことに徹します。

それを2,3度繰り返します。 そうしている間に患者の頭の中に浮んでくること、考え、思いなどを自由に話してもらいます。 簡単に説明すると、これがオープンダイアログです。 一番気をつけたいのはリフレクティングをアドバイスの為の時間にしてしまわないこと。 そうなってしまっては台無し、逆効果だからです。

オープンダイアローグは医者いらず?

オープンダイアログは医者いらずとも言われています。もちろんその画を仕切る訓練された人は必須だと思いますが、 むしろ医者のほうが対話できないかもしれない、と言えるくらいなのだそうです。 それは医者というのは、治療目的に見立てを立てて患者に会う。ここが大きな違いみたいです。オープンダイアログに関しては、短期研修を受ければ誰でもできると 斎藤環氏はおっしゃっています。

近年医療に限らず、一般的にも人間関係の難しさが顕著で、対話が大事だと言われて久しいです。対話という言葉に慣れてしまっているけれど、実際は、自分の話をすることと、最後まで聴き切ることは十分にはなされてない私たちがいるのではないかと私は思いました。 聞いているつもりで聞きながら、同時に自分の思考を巡らせていたり。 話しながら、相手がどう思っているか 考えていたり・・・。

私たちの日頃の対話は意識せずに会話しているので対話とは言えないかもしれないとも思いました。 私たちはそれぞれ、思考の癖や 発言の癖があります。 オープンダイアログを学ぶことで治療という現場ではなくても人の 悩みや 問題が深くなる前に自発的に良い方向へ解決できる可能性がオープンダイアローグにはあるのではないかと私は思いました。

オープンダイアローグ 手法を体験して

オープンダイアログの体験会に参加してみて これからの生活の中でも一番気をつけたいと思ったことは人の話を聞くときは、聴くことに徹して最後まで聞く。その時に 相手を説得したり 議論したり断りなくアドバイスをしないということです。

そして相手の体験や話を否定しないということです。 よくわからないときは「この辺りがよくわからなかったのですが、もう少し説明していただけますか?」 などと訊ねるのが良いようです。 そして少し相手のことが分かったあたりでも、油断せず、分かったつもりに ならないということがとても重要だと思います。

正しいとか正しくないということはこのオープンダイアログには必要ありません。
簡単そうだと感じる方もあるかもしれませんが、やってみると意外と難しさを感じるかもしれません。 なぜなら私たちは想像以上に一瞬一瞬、いろんな思考が働いているのですから。
私はオープンダイアログにますます興味がわきました。
カウンセリングやコーチングとも違う手法のこのオープンダイアログはもまた相手を尊重する対話法 であることはいうまでもありませんね。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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