ストロークとは 心理学TAで表す心の栄養
ストロークと聞いてテニスやゴルフを思い浮かべる方も多いかと思います。
今日お伝えするのは、エリック・バーン博士が創始した心理学TAで定義されたストロークのお話です。
ストロークとは簡単に説明すると、「人の成長に欠かせない心の栄養」のことです。
ではストロークにはいったいどういうものがあるのでしょうか。
TA心理学をもとに考えてみたいと思います。
TA心理学の生みの親エリック・バーンは
ストローク(Stroke)とは 存在認知の一単位”
と定義しています。
存在認知の一単位。なんだかわかりにくい・・
私は、単純に解釈すると、
「人がいて、そこでうまれるコミュニケーション」のことと言えるかなと思っています。
ストロークっていいもの?
ここからは、ストロークとは何か、少しひも解いてみましょう。
私たちは日々、体の健康を維持するために、体に良さそうな食べ物を摂取して、栄養をまかなったり、睡眠をとったりします。
それと同じように心の健康を 維持するためにはどんなことを必要としているのでしょう。
◎体の健康には:食べ物、運動、睡眠、散歩、ヨガ・・・など
◎心の健康には:ストローク…会話、人とのやりとり、誰かに反応してほしい・・・など
私たちが心身ともに健康でいるには、どうやら、良質な体への栄養と、良質な心への栄養が必要なのではないかとわかります。
ストロークとは 自分と他者のつながりや、やりとり
例えば、「最近、やる気がでないなあ」、「子どもがグズってばかりいる」、「何かと落ち込む」、「なぜだか失敗が続いてしま」」、こんなことはありませんか?
または反対に、「最近とても気分がいい」、「やる気がみなぎっている」、「ワクワクしている」、こんなこともあるかもしれません。
それは何に影響されているか考えてみると、家族や友人、社会生活の中での出来事に伴う、
やりとり= ストローク
に影響を受けているのではないかと考えられます。
ストロークの種類は3つに分類できる
ストロークの種類は大きく分けて3種類あります。
2 肯定的と否定的。
3 条件付きと 無条件。
1の言語のストロークは、例えば、言葉かけや文字・・・おはよう、ありがとう、助かったよ、あるいは、あほ!偉そうに!…
非言語のストロークは 、例えば、握手する、ハグする、撫でる、あるいは、無視する、不機嫌そうな表情をする、 背中を向ける…
2の 肯定的ストロークはストロークの受け手が快であり、嬉しいと感じるストロークです。
否定的なストロークはやはりストロークの受け手が、不快、イヤだと感じるストロークです。
※ここで注意したいのが、ストロークを出す方がいくら良かれと思って投げかけたストロークであっても、受け手にとってそれが不快であれば、それは否定的なストロークとして相手はネガティブな感情になるかもしれないという事です。ストロークが快か不快かはあくまでも受け手に決定権があるという事は押さえておく必要があります。
また、ストロークには肯定的なものだけでなく否定的なものも含まれるという事も定義の中に含まれます。
3の条件付きのストロークとは「○○ができたら~してあげよう」「〇〇ができるからいい子だ」「○○ができないなんてうちの子じゃない!」…
逆に無条件のストロークは、「何があっても信じている」「そのままでいていいよ」「いてくれるだけで十分嬉しいよ」あるいは「あなたの存在が迷惑」「あなたがいだけでイライラする」…
ストロークは言語、非言語は、時と場合によってうまく調整できることが望まれますが、いずれもストロークの受け手が心地よいといいですね。また肯定的ストロークであっても否定的ストロークでも、上手くいかない場合の最たるものは、セクハラやパワハラに発展しかねませんので気を付けたいところです。
日常のあるシーンを思い浮かべて、どんなストロークがあるか、それは適切なストロークになっているか、いったん考えることは人とのコミュニケーションがうまくいく秘訣といえそうですね。
ストローク交換は誰とどんなふうにしているか
ここまでで肯定的と否定的、条件付きと無条件のストロークを考えてきました。では日常では誰とどんなストローク交換をしていますか?
親子間、両親と、友人や夫婦間、先輩、後輩、上司、部下、思い出してみてください。嬉しかったストローク。不快だったストローク。日々私たちはストローク交換をしています。
そして心の栄養を欲しているともいえるのです。
人はそもそもて、ストロークの交換をし、共に楽しみたいという欲求があるのだと思います。
家族や同僚など身近な人との何気ないストローク交換こそ心の栄養を補給できる最も身近なことで且つ幸福に生きる上で重要なことかもしれませんね。
ここで付け加えたいことは、
条件付きで否定的なストロークはいけないような気がしますが、そればかりでもないということ。
「廊下を走ってはいけません」」「病院で○○してはいけません。」などは、それを聞いて行動を正してくれたら→「ありがとう」と言える場合もあります。
無条件で否定的:存在を認めないというストロークになる。「勝手にしろ」「いい加減にしろ。」「もう知らないからね」」・・・現実にはよく使われているのです。この時、相手が従うことで一瞬うまくいったように見えるかもしれない。けれど、相手には深い傷となってしまいます。
注目すべきは、ポジティブなストロークは、学びや仕事、生き方に対してやる気を出せるように応援することができるので、とても役に立ちますし、適切な否定のストロークは社会性を育てるという事です。
でも、思ってもないことを言うのはまずいですよ。裏面交流と言ってうまくいきません。裏面交流についてはここでは省きますが、相手には何らかで本心ではないことが伝わりますので、そこも注意点ですね。
ストロークは生きていく上でとても大切な、心と心の交流。愛情があってこそ幸せな人間関係を築くことができると思います。
ストローク経済の法則 心理学(クロード・スタイナー博士)について
私たちは、小さい時に親や周りの大人からの影響で、ストロークに対する価値観が知らず知らずのうちに考え方の癖として入っているといわれています。(クロード・スタイナー博士)
こんなことはありませんか?
・与えるストロークがあっても、それを相手にあたえない。
・欲しいストロークがあっても、それを他人に求めてはならない。
・欲しいストロークが来ても、それを受け取ってはならない。
・欲しくないストロークが来ても、それを拒否してはならない。
・自分自身にストロークを与えるな。
「お母さん、見て見て~」、「ほめて~すごいでしょ」、など言っていると、親に、「やめなさ」」、と言われたり、「自慢するようなことを言ってはダメ」」褒められても、「そんなことないで」、と言う、嫌なことを言われたとき、否定せずにそのまま受け取って結局落ち込む…
・・・とこんな具合です。
私たちの生活を観察してみると、よくあるかもしれませんね。
おススメのストロークで人間関係を円滑に
人とかかわる以上、どんな関係性でもできるだけ円滑なコミュニケーションで、気持ちよく、お互いを大事にしたいものです。
おすすめのストローク交換についは次の通りです
私は欲しいストロークを他人に要求することと、欲しくないストロークが来たとき、拒否することが苦手です。そんな時はモヤモヤするものです。このおすすめのストロークをスムースに思い出して使えるようになりたいと思っています。
心理学TAのストローク、いかがでしたか?
円滑な人間関係にお勧めのストロークを意識してみてくださると嬉しいです。
嬉しい変化が起きますように。
参考文献:『ギスギスした人間関係をマールくする心理学 エリック・バーンのTA』
あべともこ著 西日本出版社
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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