お年寄りの一人暮らし。おしゃべりは元気のもと。

お年寄りの一人暮らし。おしゃべりは元気のもと。

 

私の大切なロールモデルのおひとり、てるさん。

お隣のてるおばあちゃん。てるさんはもうすぐ88歳。一人暮らしをされています。

てるさんとのお付き合いは、かれこれ20年くらいになります。出会った頃はご主人がまだお元気でいらっしって、いつもお出かけはご主人の車でお二人仲良くお出かけでした。

ご主人も白髪の物静かで穏やかな笑顔が素敵な方でした。

ご主人が亡くなってからはおひとりで、自分のペースで生活なさっています。

お買い物、生協、デイサービス、病院、、。。

全部ひとりでこなしているてるさん。

「玄関先のつわぶきがもうすぐ咲きそうなのよ見によってね。裏にもあるんだけど日当たりが悪いからかなあ、まだまだみたい。やっぱり、お日様はすごいねえ。」

どうやってあの高い物干し竿に毛布をほしたのかなあ。。てるさん、すごい。

腰が痛いのに、てるさん。    「え、こんな大きな鉢、ここまでおひとりで持って来られたんですか?すごいー。でも気を付けてくださいよ。」

「何々、こんなことはね、まあ、慣れてるのよ。いらないズボンをちょっと乗せてここまで引っ張ってくるの。ほほほほ。」

「今年も立派に咲きましたね。毎年咲かせ。てるさん、すごいですね。」

ただただにこっとしてくださいます。

世の中には偉い人たくさんいらっしゃいます。でも、どんな地位や名声がある方より、目の前のこの大先輩を尊敬しています。

自立した女性だなぁと感じるからです。

今は女性も起業したりいろんな形式で働いていらっしゃいます。キラキラビジネス女子にも憧れます。でも。

でも、そんな感じではなくて、てるさんはあったかい、昭和のおばあちゃん。

日頃の生活ぶりやご近所との付き合い方、いつも穏やか、いらないことは言わない賢さ、いざというときは、私はこうです、と言われる真の強さ、優しさ、小さな体ににじみ出ている内面の美しさ。

私はてるさんのような方に心底憧れます。そのように年を重ねたい。

これは積み重ねしかないですね。尊敬できる方が近くにいてくださるというのは、生きる勇気をいただけます。

てるさんにはたくさんの勇気をいただいています。

いつも穏やかなてるさん。てるさんのある一日の一コマ。

「生協でパンを買ったのよ。おひとつどうぞ^^」

「スーパーにしか売っていない、この、軽〜いざらめのおかきが好きなのよ。

少しずつ食べて、お口の中で溶けていくでしょう。美味しいのよね^^。」

「お時間あるなら上がってね。

お茶くらいしかないけれど。」

かわいいんです。

 

おしゃべりは元気のもと。出会った頃、てるさんはおいくつだった?

そして私は…まだ若かったなぁ。あの時すでに おばあちゃんという感覚で見ていたけれど、今は本当のかわいいおばあちゃんです。私は今の時点で自分の母より長生きしています。だから、老いに対しても、穏やかにしなやかに老いを受け入れながら、折り合いをつけながら、生きておられるお手本みたいな年上の女性が周りにいなかったのです。

てるさんが近くにいてくれてよかった。

てるさんみたいなおばあちゃんになりたい、と心から憧れます。

てるさんは子供さんを育てられた方。今は一人暮らし。子どもさんはいらっしゃるけれど子どもさんの人生を尊重して子どもさんの体調を優先に考えて、それぞれ別々に暮らすことを選ばれています。

それでも心はいつも一緒。毎日電話ではお話しされているんです。

しっかり絆があるんです。だからこそ、大切な人を守るために自立している。

その様子に私は本当に頭が下がる思いです。

 

おしゃべりは元気のもと。でも、、「長生きしたっていこと無いわぁ」初めて聞いた弱音。

そんなてるさんですが、最近は、「自信がなくなってきて困るわ。」とおっしゃることが少し増えました。

こんな時こそご近所。私には何ができるだろう。いつもそう思います。そして、思いのどのくらいできているか、反省することも多いです。

「この前ね、ちょっと転んじゃって。でも、まあ、これくらいだからと思って次の日に病院に行ったのよ。たんこぶと、少し切れて、てょっと怪我になっていたけど、大したことなかったから、よかった。気をつけなくちゃね。すってんころりんしないようにねぇ。」

ちょっとした怪我をした時などは心配かけすぎるからと子どもさんに報告しないてるさん。少しだけ気になる事は世間話のようになるべく明るく報告するようです。

隣の住人、私から見ると子どもさんにそんなに遠慮しなくても…と勝手ながら思ったりしますが、そこは、てるさんの子どもさんに対する深い愛情。

そういうことなのかなぁと感じます。

他人は勝手なことは言えません。そばにいるだけです。

「心配かけたくないのよ。あの子に。」とよくおっしゃいます。

病院にも1人で行かれるてるさん。

出来るだけ心配をかけないで、自分のことは自分で。この強い気持ちが強い優しさに支えられているんだと思います。

てるさんはいつも前向き。ネガティブな事はあまりおっしゃいません。だけど2年前位に初めて「もうしんどいわ〜。長生きしたっていいことないわょ。。」そう言われたことがあります。あんまり珍しい発言に私はショックでしたが、無理もない言葉でもあります。正直な気持ちを吐露してくださったんだと思いました。

心細さ。当然です。でも、元気でいてくれるてるさんに心で甘えていた私にハッと気がつきました。

いつも明るく、まぁまぁなんとかやってるよーと言われるてるさん。

愛おしいおばあちゃん。

もっと私にもできる事は無いのかなあと思いました。私も顔を見にいける時はほんの数分でも顔を見せよう。お電話してみよう。

てるさんまた行くから待っててくださいね。てるさんがいてくれるだけで、私は年を重ねる不安から解放させてもらっています。

感謝しているんです。

秋の良い気候になったから、また、玄関先で長めのおしゃべりしに行きますね。

秋のお花のこと、株分けした鉢のお花のこと、また聞かせてくださいね。

 

おしゃべりは元気のもと

TA心理学ではストロークにあたる。

(TAハッピーカード®あべともこ)

【権利】

“必要なサポートを受ける価値が、あなたにはあります。”

このメッセージは年齢関係なく、あてはまるメッセージです。

日本人は謙遜の文化を持っています。慎ましさが美しさという文化。でも、そこに縛られると、本当に辛い時、辛いと言えない。

そんなことになっていないかな、と私は思います。高齢化の今、お互い助け合って生きていくためには、心の声を出せる場所や人が誰にとっても必要です。

来週お会いしたら、TAハッピーカードのメッセージを、何枚も読んでさしあげたいと思っています。

てるさん、待っていてくださいね。

私の大切なロールモデル、てるさんのお話。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

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